涼鈴雑多工廠

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〜暇人工作員のブログ〜

【自称世界初】射撃形態切替式輪ゴム銃 Shortbreadシリーズ開発の軌跡

Shortbread開発に至った経緯

高専入学前~入学後寮生活中~の環境や精神状態が関係するのですが、自分語り成分が溢れてしまうので自重します。
これは今の僕の創作活動全般に関わってくることなので、たぶんきっと元気があれば後で別記事として書くと思います。

結論を言うと、高専の機械は個人的に借りることができないことを入学してから知った涼鈴(当時1年生)は、「高専祭に出店し、輪ゴム銃製作キットの販売と輪ゴム銃射的を運営すればそれを名目に機械を使えるのでは???」と考え、人生初となるキット用の輪ゴム銃を設計することになったのです。

設計の過程で僕は、「折角いろいろな人が訪れるであろう高専祭で販売するのなら、輪ゴム銃の布教になるような、輪ゴム銃の色々な楽しさ・面白さを詰め込んだ銃にしたい」と考えるようになりました。
その結果、精密射撃と連射が「2大輪ゴム銃の愉しみだ」と考えた涼鈴は、「精度と長い銃身が必要な瞬間開放式」と、「精度を捨ててでもクリアランスが必要で銃身が短くないと装弾数が減ってしまう回転翼式」(※)という相反する性質を持った2種類の発射機構を搭載する変態銃を開発することを決意したのです。

※回転翼式も瞬間開放式の一部ですがここでは別の機構として分けさせていただきます。

Shortbreadシリーズとは

Shortbreadシリーズとは、高専祭で「輪ゴム銃製作キット」として販売することを想定し設計したレーザーカット輪ゴム銃です。
名前の由来は同名の伝統的なお菓子。レーザーカットしたMDFの見た目が似ていたからです。(カロリー高いし美味しいし好きですあのお菓子)

1年の頃に2DCADを勉強しつつ設計したのが初代(無印)。高専祭の後も湧き出るアイデアの限り改良を進め、3回目の高専祭を終えた今、そのナンバリングはⅤに達しています。
機能を盛りに盛ってしまった結果、部品数と共に組立難易度が年々上昇。設計者の僕ですら全力組立でも5分かかるようになってしまいました…

製作キットの準備に追われた僕に後回しにされた結果作られないor解りづらい組立説明書、当日は高専生が付きっ切りで補助に回る必要がある、お持ち帰り組立が実質不可能、等という問題点があり、「製作キット」を名乗るにはかなり無理がある(100%僕のせいですはい)のですが、輪ゴム銃としての完成度には自信があります。

シリーズで共通な仕様は、

  • 引き金・撃鉄・回転翼の3部品方式であること
  • ホールドグルーブと回転翼の距離 < ホールドグルーブとホールドフックの距離 であること
  • それぞれの部品の軸間距離
  • 材料が5.5mm厚MDFボードであること
  • 単発精密射撃と連発を撃ち分けることができること

です。

Shortbread(無印)

記念すべき鈍器1号
レーザーでカットされた角はビンビンに尖っており、特にグリップの手のひらへの食い込み具合は他に類を見ないレベル。
f:id:himajinkosaku:20200111135035p:plain (引き金用の輪ゴムを掛ける真鍮ひーとんは省略されています。)
SA単発射撃・SAセミオート切替機能
三角翼固定収納機能 搭載

特徴

  • 3部品方式(引き金・撃鉄・回転翼)
  • シングルアクション単発・シングルアクションセミオートの撃ち分け可能(瞬間開放式・回転翼式)
  • 三角翼固定ピンによる三角翼固定機能搭載(固定時には単発射撃の邪魔にならないよう、三角翼が完全にフレームに隠れるようになっています。)

Shortbread Ⅱ

中学時代の友人が学園祭で射的をするというので貸出し用に作った手作りモデル
グリップを入れ替えることができます。
f:id:himajinkosaku:20200111144043p:plain f:id:himajinkosaku:20200111144057p:plain SA単発射撃・SAセミオート切替機能
三角翼固定収納機能 搭載

改良点

  • フレームのねじ固定化
  • 三角翼へ輪ゴムを掛けやすいように、フレームを僅かに抉る

Shortbread Ⅲ

2回目の高専祭でキットとして販売したモデル。ねじ固定式とピン固定式の2種類が存在します。 f:id:himajinkosaku:20200111144518p:plain SA単発射撃・SAセミオート・ラピッドファイア モード切替機能
三角翼固定収納機能 搭載
銃全長:325mm
銃身長:248mm(203mm)
重量:188g
適合装弾:#16
装弾数:6発

改良点

  • 三角翼の固定方法をスライド式へ変更
  • ラピッドファイア機能搭載(撃鉄を親指で押さえている間、シングルアクション無しのセミオートになります)
  • レーザー加工機のケガキ機能でロゴマークを刻印
  • ピン穴あけ用の補助溝を採用
  • グリップを階段状にすることで、手への食い込みを緩和
  • 撃鉄にも輪ゴムでテンションを掛けることで、空撃ちでもシングルアクション可能に
  • 銃口付近に取り付けられるちっちゃいスタンドをおまけ

Shortbread Ⅳ MACULARIUS

シリーズ最大 シリーズ最厚を誇る5層構造 ナイフショーで販売することを考えて設計した、ガチプロダクトモデル(自称)です。 f:id:himajinkosaku:20200111151009p:plain SA単発射撃・SAセミオート・ラピッドファイア モード切替機能
三角翼固定機能 搭載
ディスプレイスタンド付き ‪
銃全長:335mm‬
‪銃身長:248mm(203mm)‬‬
‪重量:236g(台座込み311g)‬‬
適合装弾:#16
‪装弾数:8発‬‬

改良点

  • 自動復帰式の的付きディスプレイスタンドを付属
  • 5層構造にしたことにより、真鍮ひーとん使用数をⅢの半分の2個へ削減
  • ひーとんをねじ込む溝を用いることで、端面への穴あけが不要に
  • 食い込み防止ピンにより装弾数の増加&発射の動作安定化
  • 引き金の再設計により、三角翼の発射時角度を大幅に改善(輪ゴム発射までのタイムラグが解消) f:id:himajinkosaku:20200111155723j:plain

Shortbread Ⅴ VISOR

3回目の高専祭でキット販売したモデル
シリーズ最小、しかし漸く人間が片手で持つサイズに落とし込むことができ、シリーズ中最も持ちやすくなった輪ゴム銃。(僕の手は平均よりかなり大きめなので、自分を基準にすることを辞めました…)
レーザーケガキによるロゴマーク以外の装飾を初めて行い、シリーズ中最も加工時間が長くなった代わりにシリーズ中最高のカッコよさという評価を得られるようになった。(というかこれ以前がなかなか酷い)
f:id:himajinkosaku:20200111161359p:plain 全長:292mm
銃身長:216mm(175mm)
全幅:16.5mm
重量:134g
適合装弾:#16
装弾数:1本×10 連 or 4本×5連
有効射程:2m 最大到達距離:7m
発射方式:瞬間開放式&回転翼式
撃発機構:シングルアクション
射撃形態:SA単発精密射撃・SAセミオート・ラピッドファイア切替式
ディスプレイスタンド付き ‪

改良点

  • 三角翼ストッパーをばねロック式に
  • 装飾ケガキ・異形穴 追加
  • スタンドの自動復帰的が垂直になるよう調整
  • 6mmの高ナット及び2本の低頭ボルトで両側からフレームを締める方式を採用し、見栄え、左右の対称性(重要)、機構部のクリアランスの自動確保、フレーム強度 を改善
  • フレーム強度の上昇により装弾数が最大20発に
  • 2.5D設計により、真鍮のホールドフックピンを手加工無しで固定可能
  • 引きばねとして輪ゴムでなくコイルバネを採用(機構の劣化を大幅に抑える)
  • トリガープル(と撃鉄の重さ)を調整可能

Shortbreadシリーズの今後

実はShortbreadの魔改造イデアをパテントコンテスト2019に応募したところ、優秀賞(出願支援対象)に選ばれました。(これで3年連続ですありがとうございます)
このアイデアが特許になれば、さっそくShortbreadに組み込んでやるつもりです。

これとは別に、Shortbread Ⅴ VISORにおいてダブルアクション機構の試作に成功しており、あとは微調整という段階に入っています。やる気が出たりナイフショーが近づくと製作に取り掛かると思うので、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです!!